―第1巻―

親子3人「淀川源流」旅日記
〜桂川その6〜
カワセミ
カワセミ
人と自然がしっくり融合する日吉ダムを周遊。

 1998年に新設された日吉ダムが成すダム湖「天若湖(あまわかこ)」を中心に、京北町の宇津峡までドライブ。世間はゴールデンウィーク真っ只中で、どこへ行っても人・人・人なのに、この地域はゆったり。水と緑の絶景に囲まれて、野鳥との出会いを満喫しました。

ライトアップされた夕暮れの日吉ダム
ライトアップされた夕暮れの日吉ダム
 まずは近畿でも最大級の水瓶、日吉ダム【A】へ。その姿は巨大な要塞のようで、ゲートの前にある、これまた巨大な円形橋はどことなく近未来的なイメージを感じさせる。とくにインフォギャラリーが面白い。ダム堤体内部を見学できる日本初の設備で、水や森を五感で体験できる。また、ビジターセンターもおすすめ。展示やビデオの他に、シアターまであって驚いた。1階には体重と体内水分量を同時に計る機械もある。数値は内緒だが、瞬時にデジタル表示された。話はそれるが、このダムによってできた天若湖は甲子園球場の約70倍とか。右を見ても左を見ても、水と緑。水面に陽ざしがキラキラと反射して目に嬉しい。

府民の森 郷土資料館のかやぶきの民家
ダムから5分ほど車を走らせると、府民の森【B】がでんと構える。とにもかくにも、以前から興味のあった郷土資料館へ。ここにはダム建築の際に移築復原した、かやぶき民家が佇む。土間には今では珍しいおくどさんが。その周りをウロウロするおかっぱ頭の娘は、なんだか座敷童子のように見える。靴を脱いで室内に上がると、部屋の真ん中にいろりがあった。娘は不思議そうに眺め、炭ばさみで灰を突いて遊ぶ。私はいろり端に座ってひと休み。ヒンヤリとした風が通りすぎて気持ちいい。その後、ブラブラと広大な芝生広場へ。すると、そこかしこに何かのフンが! 森の資料館に入ってわかったのだが、朝夕に鹿が草を食べに来るらしい。

世木ダム 天若峡大橋
 天若湖の東端まで行くと、世木ダム【C】にぶちあたる。付近ではブラックバス狙いの釣り人がボートを出してチラホラ。新緑の中、のんびりとフィッシングを楽しんでいるようだ。在来種保護のためにリリースしないことを願いながら通り過ぎる。そのまま上流を目指し、キャンプ客で賑わう宇津峡公園【D】へ。そこで、低空を鋭角的に飛ぶカワセミを発見。青く光る背中はまさに生きた宝石だ。ちなみにカワセミは漢字で書くと、翡翠(ヒスイ)となる。読んで字のごとく、なるほどと思わせる美しさである。近くにはゴイサギやイカルの姿も。川辺には多くの人が遊んでいるにもかかわらず、鳥たちは悠然としている。

宇津の村落 宇津峡公園のコテージ
 宇津峡から湖の北側の道を折り返して、日吉ダムの方向へ。結構スリリングな山道を進むと、シャガが咲き乱れる沢があった。水遊びにもってこいの穴場である。娘が車に酔いだしたので、そこで、ちょっと休憩。ひと息入れて、最期の目的地であるスプリングスひよし【E】のひよし温泉へ。本格的な天然温泉で、露天風呂もある。湯は薄い赤茶色をしており、熱くもなく冷たくもなく、ちょうどいい温度。ウグイスの声をBGMに、1日の疲れが少しずつ溶けていく。そして、風呂上がりにビールを1杯。ドライバーには悪いが、気持ちよくうたた寝しながら大阪へ戻ったのである。


*取材/5月3日(土)
*小村家・プロフィール/父の一也はプランナー兼イラストレーター。母の郁慧はコピーライター。そして一人娘の東洋。親子3人、仲良く見聞しています。

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