―第1巻―

親子3人「淀川源流」旅日記
〜桂川その5〜
オオタカ
オオタカ
大堰川周辺の自然・歴史・文化に心が癒される。

 初詣をかねて新年早々、亀岡から園部へ遡上。大堰川周辺には自然があふれ、里山を歩く楽しさを実感できました。松の内だったせいか、この界隈はひっそりとしたムード。賑わいに飽きた私たちにとって、今回の散策はつかの間の安らぎを求める癒しの旅となりました。

千代川地区の高台から望んだ里山の民家
千代川地区の高台から望んだ里山の民家
 2002年は亀岡の山あいにある出雲大神宮【A】から。和銅2年(709年)に建立された丹波国一の宮。国歌である「君が代」はこの地を詠んだものと伝えられている。縁結びの神様だけにカップル客もチラホラ。また、境内から湧く御神水をペットボトルに詰める人々で賑わう。

歩いて5分ぐらいのところには車塚古墳【B】が。刈り取られた田の中に、唐突に存在する前方後円墳だ。5世紀頃の築造と推定されており、造られた当時に 近いままの姿らしい。墳丘には樹木は1本もなく、水田に降り立ったUFOが姿を隠そうと枯れ草をまとったように見えるから、何とも言えぬ面白さがある。
車塚古墳
車塚古墳

大堰川の水面
大堰川の水面
 しばらく車を走らせ川幅が広くなってくると、テニスコート・グラウンドなどを備えた大堰川緑地公園【C】に到着。娘は遊具を見つけるやいなや、脇目をふらずに走り出す。ブランコや滑り台を堪能したあと、砂場にあるアシカ型のベンチに座ってひと休み。水辺ではセキレイが甲高にピピピと鳴く。国際保護動物であるアユモドキが棲息するというが、当然岸からは見つからない。突然、「オオタカや!」と夫が叫んだ。空高く飛ぶトンビの群から離れ、私たちの頭上を周回する大きな猛禽類がいる。鷹羽模様の尾羽、腹部の白さは明らかにトンビと違う姿である。間近にオオタカを見たのは始めて。その雄姿に感動を覚えた。のちに「娘を小動物と見間違えて狙っていたのかも」と笑いのネタにもなった。

 まだ遊び足りない娘を何とか説得して次の取材地、船井神社【D】へ。もともと大堰川のほとりに鎮祭されていたものを慶雲2年(705年)、現在の地に遷したそうだ。石造りの鳥居をくぐると、目の前に荘厳な拝殿があった。中には絵馬が飾られている。かなり古く感じられるが、力強い筆使いで今にも駆け出しそうに見える。奥にある本殿に詣でると、娘が「神様に貯金するね」と賽銭を入れて手を合わせた。その横で厄あけの夫が真剣に拝んでいる。今年も家族全員で無事に取材できますように。
船井神社
船井神社

 ところは変わって園部方面へ。駅近くに学問の神として知られる生見天満宮【E】がある。ここは日本一古い天満宮であり、受験生のメッカ。合格祈願の絵馬が拝観客の多さを物語っていた。そして、園部城跡【F】に。初代藩主であった小出吉親公が2年がかりで築城したが、明治を迎え、そのほとんどが壊されたという。現在は園部公園や園部高校が設置され、憩いの場・教育の場となっている。ちなみに、隣接する園部博物館は城をモチーフにした外観であり、最初は間違えてそちらに行ってしまった。
 今年初の川詣を満喫した。そして、3カ所の神社でしっかりと初詣した1日。厳かな気持ちで一年のスタートを切ることができた。



*取材/1月5日(土)
*小村家・プロフィール/父の一也はプランナー兼イラストレーター。母の郁慧はコピーライター。そして一人娘の東洋。親子3人、仲良く見聞しています。

散歩地図


戻る 次へ