淀川河川公園と私
河川の様々な面を理解して欲しい

 気軽に原稿依頼を受けたものの、送っていただいた資料には「淀川河川公園と私」となっていてビックリ。表題で文章が書けるほど私と淀川河川公園とは深い関係ではないのです。
 私は建設コンサルタントに勤め、河川計画等の仕事を30年近く続けています。よく、私の仕事について聞かれたときに「河川の計画をしています。」と答えると、「河川って計画するんですか?」とよく言われます。こんな時、一般の人には河川の計画していると言うことがあまり知られていないんだなと思います。

 一般の人には橋梁とか道路が土木の仕事としては知られていますが、河川はあまりポピュラーではないようです。その中で悪いイメージとしてダムや河口堰が辛うじて河川に関する仕事として知られているようです。
 この度原稿を書くにも一度も淀川河川公園で遊んだことが無いのでは話にならないので、息子(小学校6年生)を連れて遊びに行きました。息子は友達と遊ぶ約束をしていると言うので、きっとファミコンでもする気だなと直感。友達も一緒に、と無理矢理のように連れて行きました。何処へ連れて行かれるのかと子供達は道中面白くなさそうにシーン。家(豊中)から30分程で仁和寺野草地区に着きました。

 広々とした芝生広場では家族連れがあちこちでテントを張ったり、バーベキューをしたり楽しんでいます。でも、空間が広いため開放感があり、ゆったりしています。子供達も初めはぎこちなかったのですが、サッカーやキャッチボールをしている内にだんだんなじんできました。少し水辺に行ってみようと言うことになり、水辺に行くと勝手に石を拾ったり、水面に石を投げて飛ばしたり、楽しそうに遊んでいます。
 最後にパターゴルフをして楽しく帰ってきました。ファミコンが出来なくて膨れていた子供達もとても楽しかったようです。私も仕事としてではなく、淀川河川公園ではじめて遊んで、身近にこの様な場所があることを再発見したような気がします。

 仕事柄、河川というと洪水の氾濫とか浸水被害と言った、河川の脅威に関する面にばかり目が向いてしまいます。洪水に対して安全な川や、流域住民の生命や財産を守ることを目標とする治水計画に携わっていると、河川が自然豊かで人間に楽しみや喜びを与えてくれる空間であることを忘れてしまいます。
 人間一つの面ばかりに目を向けていると他の様々な面に理解が無くなります。ノーダム宣言や河口堰問題など、河川を一方的な面からだけ見て対立しても、決して良い結果は生まれないと思います。河川の自然を守ることは大切ですが、流域住民の安全を守ることも重要な課題です。

 報道などでは、自然を守る側が善で治水を推進する側が悪であるような印象を与えているような気がします。権力のある側と民間団体の対立と言うか判官贔屓(はんがんびいき)の様なものかも知れません。双方の主張にはそれなりの理由があるので、お互いを理解することが重要であると感じています。
 淀川河川公園で遊んで、河川が自然豊かで楽しみや喜びを与えてくれる空間であることを実感しました。しかし、河川の役割はそれだけではないことも教え、理解することがよい良く河川を利用する為の重要な要件であると思います。

 河川公園に遊びに行って数日後、息子の友達が「すごく楽しかったのでまた連れていって欲しい。」と言っていたそうです。また時間を作って連れていってやろうと思います。

仁賀 眞二
執筆中の筆者
  執筆中の筆者

ナンバー30 仁賀 眞二
にがしんじ。昭和24年4月14日大阪府豊中市生まれ。 昭和47年より株式会社三井共同建設コンサルタントに入社、平成6年6月両親の介護を前提に退社。
平成10年父を自宅で看取り、現在、妻と二人で母親の介護をしながら河川計画の仕事に従事している。

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