―第1巻―

親子3人「淀川源流」旅日記
〜桂川その2〜

アオサギ
涼やかな川面と普段着の京風景が楽しめる松尾・桂地区。
松尾橋から嵐山方面を望む・円内は浄化施設付近を散策する「旅」の母子

 少し風はあるものの、暖かい日差しに恵まれた日曜日。桂川の右岸に位置する松尾・桂周辺地域をメインに散策。嵐山に比べると観光客は少なく静かな佇まいです。今回は友人とともにドライブも楽しみました。(下流に向かって右側を右岸、左側を左岸と言います)

 京都南インターから車で約10分。久我橋近くに鳥羽浄化施設【A】がある。敷地内は美しい新緑におおわれ静寂そのもの。ここは礫砂や木炭を使って川の水質を改善している所。残念ながら、施設が河川敷の下にあるため浄化作業が見られない。堤防沿いは菜の花が一面に広がり青い空に映えていた。施設の対岸に人影が見えたので、行ってみることに。そこは久世橋西詰公園、バードウォッチングの穴場だ。堰にはカワウの集団が。水面ぎりぎりをマカモが飛ぶ。「ヘラブナやコイが釣れるで」と釣り人が教えてくれるやいなや、突然アオサギが川にドブン。「お先に失礼」と、おっちゃんを横目に獲物をさらっていった。娘は滑り台に一目散。鳥よりも遊具に興味をもった様子であった。

公園整備された長岡京大極殿跡
公園整備された長岡京大極殿跡
 そこから次の取材先、長岡京跡【B】をめざして阪急西向日駅の方へ。あたりを探すが見つからない。たまたま家の前を掃除していたおばちゃんに尋ねてみた。すると「すぐ、そこ」を指さす。閑静な住宅街のド真ん中に目的地はあった。昭和39年に国の史跡に指定された、奈良の平城京より移した古代の都跡。現在は公園として整備され、子ども達の遊び場になっている。史跡というより、町中に見られる児童公園のような趣だ。歴史が今に融合し、そこに住む人々はそれが当り前のように暮らしている。

 次に向かったのは阪急桂駅と桂川の間にある桂離宮【C】。旧桂宮家の別荘で、広々とした敷地内を見事な竹藪が囲む。宮内庁管轄のため、見学には事前許可が必要。今回は外から眺めただけだが、内に入ると優美な建築と日本庭園が見られるらしい。この辺から娘がグズグズ。次に向かう途中、渋滞に巻き込まれとうとう退屈しだした。
 車中から開放されたのが松尾大社【D】。娘は上機嫌で境内を散歩中の犬をなでまくる。敷地内には三千本もの八重のヤマブキが連なっている。ちょうど取材日が山吹まつりの真っ最中であったため、日曜カメラマンでいっぱいだった。花を愛でた後は疲れを癒しに喫茶店へ。酒造りの神様が祀られているだけに、水がおいしい。もちろんコーヒーや煎茶も。ついでに酒饅頭にも舌鼓を打った。
松尾大社・曲水の庭
御手洗川を取り入れた松尾大社・曲水の庭

松尾橋下流の水制
松尾橋下流の水制
 つかの間の休憩の後、歩いて桂川右岸へ。阪急松尾駅を通り過ぎて約3分で到着。ここには石を積んでつくられた水制【E】がある。これは水の流れによる川岸の侵食を防ぐためのものだ。きっと魚の隠れ場所にもなっているのだろう。川辺はバーベキューを楽しむ人々で賑わう。川は魚や鳥の楽園であるとともに、人の心を憩わせる大切な場所であることを感じさせられた。
 夕刻、桂川の自然を満喫した私たちは帰路に着いた。娘は大きな寝息を立てて熟睡。そのリズミカルな息遣いがこの日の楽しさが表現しているかのようであった。
*取材/4月22日(日)
*小村家・プロフィール/父の一也はプランナー兼イラストレーター。母の郁慧はコピーライター。そして一人娘の東洋(とうよう)。

散歩地図


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