文/有馬忠雄

 (1)ウシハコベ

草むらを覆(おお)うようにして伸びる大型のハコベ。ハコベがよく茂っているなぁと思うのだが、「それにしてはよく育ったなぁ。」とよく見ると葉の先が尖(とが)っていて、やはりハコベとは違うみたい。何度も見直しながら気になるハコベだ。ハコベとは雄蕊(おしべ)の先が5つに分かれているところが違う。ヒヨコさんはどちらも区別しないでご馳走(ちそう)さん。だから、ヒヨコグサと呼んでもいいだろう。

 (2)ギシギシ

誠に変わった和名だが、古い書物に出てきていることから昔からよく知られていて、薬草として使われていたことが想像される。春の、まだ柔らかい葉は味噌和(みそあ)えなどで食べられる。特に、薄い膜で覆(おお)われた新芽はぬめりもあって、野草料理に使えば逸品(いっぴん)である。兎に与えて、凄い下痢をされてしまったことを思い出す。

 (3)キキョウソウ

大きさはキキョウよりも小さいけれど、ほんとにキキョウを思わせる可愛い紫色の花。明治時代中頃に北米から輸入されて栽培されていたらしい。現在、それがあちこちの野原で生活している。欧米では「ビーナスの姿見」という名で呼ばれているらしいが、果実の壁に楕円形(だえんけい)の穴が開いて、壁が蓋(ふた)になって穴をふさぐその姿が「姿見」を連想させるものらしい。野にあって、キュートな華を添えてくれる。

 (4)ヘラオオバコ

ヨーロッパからやってきた外来種。葉が長いへらの形をしているところからの命名だろう。堤防域に多いが、50cmを越す長い花穂(かすい)を出して、まるで鉢巻きでもしているような具合に雄蕊(おしべ)が穂を取り巻いている様が可愛く、面白い。次の日にはこの鉢巻はすこし上へ移動する。つまり上の花が咲いたと言うわけだ。雌蕊(めしべ)は、雄蕊を出している花より先に咲いて、雌蕊と雄蕊が成熟時期をずらすことで同じ花の中での受粉を避けているのだ。



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