はる      ゆ
春 の 喩
詩:滝本明 写真:細川和昭 
背割堤地区は花見の人気スポット

堤に咲いた 桜の下を通り過ぎた
微かな死の匂いと その存在に残る時間の色香の下を

ひとひらの心の形を開かせる力 花びらに至った水の旅路と
その遥かな酒の記憶に揺れる生の時間の下を

今日僕は 見知らぬ岸辺の旅人の顔で桜の下を通り過ぎる
空渡るおぼろな鬼の形の雲のように

僕らの心は散り散りに 楽しくもあり心細くもあり
まだ言葉をかかえた存在のまま咲いている

君は自転車で なぜか急いで明日の用に向かい
散る花と風のトンネルを 笑いながら通り抜けて行く


淀川河川公園を楽しむ情報誌
NO.25 2000 SPRING
編 集/淀川河川公園広報委員会
事務局/(財)河川環境管理財団
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TEL.06-6994-0006

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