文/有馬忠雄

 (1)クズ

「吉野葛(くず)」のあのクズである。山林で木々に巻き付いて樹木を枯らしているとばかり思っていたのに、最近は淀川の草むらをひとり占めせんばかりの生育のすごさである。「吉野葛」は根から取り出した澱粉(でんぷん)で、売るほど採ろうとしたら大変だが、しかし楽しい苦労を強いられることになるだろう。奈良県・大宇陀(おおうだ)の国栖(くず)に由来する命名という見解がある。

 (2)ゴキヅル

「ゴキ」はゴキブリの「ゴキ」に通ずる。つまり、蓋(ふた)を持った実が出来る変わり者である。水辺に生えるウリ科の1年草。蓋と実がある器つまり御器(ごき)が名前に使われているのだ。ゴキブリも御器?なぜ?考えて下さい。水辺の植物が少なくなっている中で、このゴキヅルは盛んに生育を続けている。蔓性(つるせい)であることが原因かも知れない。

 (3)イヌホウズキ

ホウズキというイメージよりもプチトマトを思わせるじゃないか、この草は。ナスやトマトの仲間だけれど、それらと違って有毒植物だから食べたりできない。ネパールを旅したとき、露店で確かにこの実を売っていた。汁を少し舐めてみたらほの甘かったんだが、やはり食べない方がいい。

 (4)アキノノゲシ

「ケシ」が付いているのに菊の仲間、これはノゲシの項でお馴染(なじ)み。花はノゲシのように厚ぼったくなく、淡い黄色が好ましい。結実すると真っ黒な実に落下傘(らっかさん)のような冠毛(かんもう)が映えて美しい。地方名にウサギノモチがある。ノゲシの地方名は何だっけ?葉を下の方からかき採ってはニワトリに与えたのが懐かしい。



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